げひらの草子

おむこんです。じわじわきてくれれば幸いです。ねえ聞いて、言葉は無限、だったらダジャレもきっと無限。(本文の内容とタイトルはあまり関係ないことが多いです)。『うたしりとり』は、「俺はググらない!」という鉄のルールがあります。故に力を貸してください。タイトル、うたしりとりの既出はブログ内検索(プロフィールの下の「記事を検索」)で調べられます。

でもでも、報告!そんな今日、ここんとこずっと探してたはしのえみのエッセイ(…正式なタイトルは『はしのはしやすめ』だった…)を立ち寄った本屋にて遂に発見し、当然即購入!したのだが、そのいわゆる「タレント本」の棚で見付けてしまった!兄貴ことサンプラザ中野がいつの間にか書いていた小説『大きな玉ネギの下で~story of ’85~』を!尊敬する兄貴の書いた(おそらく『青春ピコピコポコポコ (ソニー・マガジンズ文庫)』以来の)小説で、しかもタイトルがこれじゃあ買わない理由がどこにも見当たらず、衝動的にというよりも本能的にこの本も購入して帰宅し、晩ご飯を挟んで一気に読んだ。
もちろん物語の軸になるのは名曲大きな玉ねぎの下で(←実は世間でよく知られているオーケストラバージョンの『玉ねぎ』はもともと初期のアルバムに収録されていたバンドアレンジの『玉ねぎ』をアレンジしなおして発売したもので、ここで言う『玉ねぎ』は初期の方なのだ。)であり、爆pスタンプというバンドのサンパウロ中野という(笑)ボーカリストにのめり込んだ女の子と、その周囲の人々が繰り広げる物語。サンパウロ…いや兄貴がいちばん奇想天外なカリスマに包まれていた時代をニヤニヤ思い起こしながらペンを走らせているサマが創造できるような、でも淡々と進んでいくかと思われた話が、最後の最後でどんでんどんでんし、素敵な最終行につながった。しかもこういうどんでん小説にありがちな、最後の数ページで無理繰り辻褄合わせちゃいました的な尻すぼみ感もなくて、むしろラストの数ページの文字の流れ方はゆったり感じられ、兄貴の文章力の妙に唸った。
なかなかいい物語でかなり楽しんだけど、俺、兄貴の作品は基本的に全肯定だからなぁ…誰か第三者に読んで貰って感想聞いてみたいような、怖いような(笑)。
でも、初めての武道館で、もしチケットが売れなくて空席ばかりだったらと心配した兄貴が、「それならいっそ空席に甘く切ない物語がある曲を作って満員にならなかった時の言い訳にしよう」と作った歌詞が『玉ねぎ』だったという話は知らなかった(これは小説の中でサンパウロ中野が、自らパーソナリティーを勤める『オールナイト日本』の中で語る)。でもそういう人間くささもたまらなく好きなんだよね。うんうん。
そんな気持ちを反芻しながら物語の余韻に浸ってたら、ふと、そういえば兄貴が昔プロデュースしてた関西娘二人のユニット『yurimari』に玉ねぎのアンサーソングを書いてたよなあって思い出した。こりゃこの勢いで探してみるかなぁ。でも相当探さないとなさそうだし(笑)。

大きな玉ネギの下で~story of ’85~

大きな玉ネギの下で~story of ’85~

はしのはしやすめ