げひらの草子

おむこんです。じわじわきてくれれば幸いです。ねえ聞いて、言葉は無限、だったらダジャレもきっと無限。(本文の内容とタイトルはあまり関係ないことが多いです)。『うたしりとり』は、「俺はググらない!」という鉄のルールがあります。故に力を貸してください。タイトル、うたしりとりの既出はブログ内検索(プロフィールの下の「記事を検索」)で調べられます。

ジンクスDEフィクション

omcon2009-12-09


そのチームのファンにとってはそのシーズンはまさに地獄と天国だった。開幕から悪夢の18連敗。16連敗目を喫した夜にはパブでファンと口論になったリリーフエースがつい手を出してしまい、警察沙汰の末に1ヶ月間の謹慎処分を受け、まさにどん底だったのだが、そこからまさかの21連勝。しかも途中に2試合連続のノーヒットノーランを達成するという快挙付き。記者も解説者も首を捻る急変ぶりに、その試合後に監督がしばらくぶりに応じたインタビューには否が応にも注目が集まった。そして、興奮覚めやらぬインタビュアーが切り出した。
「監督!監督!遂に来ました球団初の21連勝、おめでとうございます」
『どうもありがとう』
「そして貯金も3です!」
『ありがとう』
「しかし、みんな驚いていますよ、このビッグウェイブには」
『いやいや、監督であるこの私が一番驚いているんだ。特にメンバーも代わったわけでもないし、あ、1人減ったがね』
「い、いや、それはともかく、このビッグウェイブの理由をみんな知りたがっていますが」
『…教えないとダメかね?』
「ぜひ!」
『…実は、連勝がスタートした日の朝、我が家で飼っているアヒルのビルとささいなことでケンカになったんだ』
「…はぁ」
『そして連敗が止まった。そして次の朝もささいなことでビルとケンカをした。で、試合には勝った』
「…はぁ」
『私もまさかとは思ったがね、でも念願の連勝で、とりたてた変化としてはビルとのケンカしかない、翌日からビルに毎朝ケンカを仕掛けることにしたんだ』
「じゃあ、監督は毎朝アヒルとケンカを?」
『そう、毎朝だ。エサの横取りや、すぐ側でビルの嫌いなブリキの擦れる音を立てたり、飲み水の容器にラップしてみたり、とにかく思い付く限りのいたずらをして彼を怒らせ続けてきたんだ』
「じゃあ、そのビル君とのケンカが続く限りは?」
『しかし…困ったことになったんだ』
「と、おっしゃいますと?」
『実はここ2、3日、なかなかビルが怒ってくれないんだよ。同じ手では怒らないし、私のアイデアも底をついてしまったのだよ。逆に、何か思い付かないかね?』
「…」


はい、思い付きスポーツシアター第2回でしたおむこんです。そしておじゃマルシェ紺野ちゃん、テレ東内々定おめでとう。やっぱりできる子だとは思ってました。今後が楽しみです。うんうん。