げひらの草子

おむこんです。じわじわきてくれれば幸いです。ねえ聞いて、言葉は無限、だったらダジャレもきっと無限。(本文の内容とタイトルはあまり関係ないことが多いです)。『うたしりとり』は、「俺はググらない!」という鉄のルールがあります。故に力を貸してください。タイトル、うたしりとりの既出はブログ内検索(プロフィールの下の「記事を検索」)で調べられます。

 さてさて、今年ももうストックが残り僅かになってきた貴重な日曜日。されど題名のない音楽会の予告が流れるくらいのタイミングでだらだらと起き出し、はもはもと朝食を食べる。そして午前中の予定はといえば、留守番。両親は今年一月に亡くなった隣のおばあちゃんの一周忌で、妹も出かけたため、必然俺が残ることに。誰か帰ってくるまでののんびりした時間。ばあちゃんがゆっくり朝刊を眺めている横で、ならば俺もと、そういえばコンサートの日に買ったままになっていた加藤登紀子さんのエッセイ『青い月のバラード―獄中結婚から永訣までを広げた。
 考えてみれば、このブログで読書の話題を出すこと自体が久しぶり。忙しさと自分の都合にかまけて本を読むこと自体が後回しになってたんだよね…情けない。でも本当は先月、モ娘。のライブを甲府に見に行った時に往路(?)の普通列車の中で愛読シリーズ、山田玲司の『絶望に効くクスリ』の最新第五巻を一気読みして、これは今までのシリーズの中でも一番面白かったんだけど、なんとなく機会を逃してしまったので、この話はまたいつか。
 さて話を戻して、そういえば以前『絶クス』にも登場した、おトキさんの人生が主に旦那さんとの結婚生活を中心にして語られたこのエッセイ。かなり読み応えがあったし、『旦那さんの死』に向けて綴られていくおトキさんの文章は読み進めるほどに悲しみが降り積もって、最後のくだりではかなり涙腺が危うかった。おトキさんは、地に足のついた人学生運動を見つめ、その指導者でもあった旦那さんと獄中結婚をし、流産などもありながらも三人の娘さんを産んで育てながらも日本の表・裏、そして世界のさまざまなところで精一杯歌い、酒を酌み交わし、色んな人と(体を重ねるという意味でなく)抱き合いながら、一途に歌い続け、一途に旦那さんへの愛を貫いた人。いや、旦那さんが亡くなった今でも貫いている人。決して強くはないんだろうけど、信じた愛と『自分の歌を歌いたい』という歌うたいとしての気持ちに毅然と率直に生きた人美しいですおトキさんのような気高い人がいることだけでも、もっと沢山の日本人が知ってもいいのにね。大切な人に勧めたい本が、また一冊増えました。そして敢えておトキさんでなく、直サマにしていたBGMが、ちょうど
最後の一番悲しいくだりのところで今が人生だったのも、心に響く巡りで…